Claude Codeの日常生活での使い方|一番効いたのは、期限を書いたテキストファイル1つでした

朝の机にスマートフォンとチェックリストが並ぶイメージ

Claude Code(クロード・コード)は、Anthropic社のAI「Claude」を、自分のパソコンの中で動かせる道具です。
ChatGPTとの一番の違いは、ブラウザの中だけで完結せず、パソコンの中のファイルを読み書きできることです。だから「このファイルを読んで、期限が近いものを教えて」という頼み方ができます。

プログラミングの道具として紹介されることがほとんどですが、この記事ではプログラミングの話は一切しません。
ファイルを読ませて、思い出させて、知らせてもらう。それだけの使い方の記録です。

結論:一番効いたのは「覚えておく係」

弊社では、日常の細かいことにもClaude Codeを使っています。
先に、実際にやらせていることを一覧にします。

やらせていること効果作るのは大変か
毎朝、その日の予定とやることを送ってくる大きい普通
忘れてはいけない期限を覚えている大きい簡単
スマートフォンから指示を投げるやや大変
音声メモを議事録にしてタスクに変えるやや大変
未読メールを拾って要対応だけ知らせる普通

このうち一番効いたのは2番目です。
派手さはありませんが、費用対効果でいえば他を大きく引き離しています。しかも作るのが一番簡単でした。

そして1番目は、設置してから9回連続で失敗し、9日間気づきませんでした。
この話も後半に書きます。うまくいった話だけでは参考にならないと思うからです。

先にお断りしておきます

「日常生活」と書きましたが、弊社の日常はほぼ仕事なので、例は仕事寄りになります。
ただしやっていることの中身は「思い出す・まとめる・知らせる」の3つだけです。
たとえば後で出てくる「毎月25日の支払い」は、ご家庭なら保険の更新月、車検、固定資産税の納期に置き換えて読んでいただけます。仕組みは同じです。

毎朝8時に届く日報

毎朝8時に、その日必要な情報がまとめてチャットに届くようにしています。
社内では「朝刊」と呼んでいます。

入っているのは次のようなものです。

  • 今日が期限のやること
  • 今日の予定
  • 昨日までに動きがあった案件
  • 未読のメール
  • この24時間で更新されたファイル
  • 自社サイトがちゃんと表示されているか
  • 近づいている期限のお知らせ

それぞれ単体では、自分で見にいけばわかることです。
効果があるのは「見にいかなくても目に入る」という点です。

やることリストは、開かなければ存在しないのと同じになります。
朝いちばんに向こうから来るなら、開く必要がありません。ここが変わりました。

全部入れないほうがよいです

情報を詰め込むほど読まなくなります。
「今日、行動が変わる情報」だけにしてください。眺めて終わる情報は入れないほうが続きます。

実際に投げている指示

何をどう頼めばよいか、指示文の例を挙げます。
凝った書き方はしていません。

朝の報告を作らせる

reminders.md を読んで、今日から2週間以内に来る予定だけを抜き出してください。
それぞれ「あと何日か」を添えてください。
該当が無ければ「2週間以内に期限はありません」とだけ返してください。

最後の1行が大事です。
これを書かないと、無いときにも無理やり何か書こうとします。「無ければ無いと言え」は毎回入れてください。

溜まった情報を整理させる

inbox フォルダのメモを全部読んで、
「今週中に対応が要るもの」「後でよいもの」「もう不要なもの」の3つに分けてください。
判断に迷ったものは分類せず、迷った理由を書いてください。

「迷ったものは分類せず」も効きます。
無理に分類させると、間違った分類に紛れて見落とします。迷いは迷いのまま出させたほうが安全です。

探しものをさせる

去年の今ごろに書いたメモの中から、来年もやることになりそうな内容を探してください。
見つかったら、reminders.md に追加する形の文にしてください。

去年の自分が残したメモは、たいてい忘れています。
こういう「あるはずだが思い出せないもの」を掘り返すのは、AIが得意な領域です。

期限を覚えておいてもらう

一番効いたのがこれです。

忘れてはいけない日付を、ひとつのファイルに書いておきます。
そして朝刊が毎朝それを読んで、近づいているものだけ知らせてきます。

弊社が入れているのは、たとえばこういうものです。

時期内容
毎月25日支払いの振込
毎月初め前月分の明細を集める
11月税理士を探し始める
1月末年明けに必要な届出
決算前決算に向けた準備

どれも年に1回しか来ないので、忘れます。
しかも忘れると面倒なことになる種類のものばかりです。

カレンダーアプリでもできますが、この方法には利点があります。
ただのテキストファイルなので、思いついたときに1行足すだけで済みます。アプリを開いて、日付を選んで、通知を設定して、という手順が要りません。

「これは来年も忘れるな」と思った瞬間に1行書く。それだけです。

実際のファイルの中身

「期限を書いたファイル」と言われても、どう書けばよいか迷うと思います。
弊社が使っている形をそのまま出します。特別なことはしていません。

# 忘れてはいけない日付

## 毎月
- 25日: 支払いの振込
- 月初: 前月分の明細を集める

## 毎年
- 11月: 税理士を探し始める
- 1月末: 年明けの届出

## 一度きり
- 20XX-03-31: 決算日
- 20XX-05-31: 申告の期限

これだけです。
書式を決める必要もありません。人間が読んで分かれば、AIも読めます。

「.md」はメモ帳で作れます

reminders.md のような .md という拡張子は、ただのテキストファイルです。
Windowsのメモ帳でも、Macのテキストエディットでも作れます。専用のソフトは要りません。名前も何でも構いません。

続けるコツは「その場で1行足す」

整理してから書こうとすると、結局書きません。
「これは来年も忘れるな」と思った瞬間に、順番も気にせず1行足してください。並べ替えは後からAIにやらせれば済みます。

自動で知らせるところまでやるか

ファイルを作っただけでも、月に一度見返す習慣があれば十分に効きます。
毎朝自動で読ませるところまでやるかは、その次の話です。

弊社は自動化していますが、ファイルを作った時点ですでに効果は出ていました。
自動化はあくまで「見返す習慣がなくても回る」ようにするための追加です。順番を間違えないでください。

スマートフォンから指示する

チャットアプリ経由で、外出先から指示を出せるようにしています。
「あの件を調べておいて」「この文章を整えて」と投げると、戻ったころには終わっています。

ただし、これは作るのがやや大変です。
効果は感じていますが、最初に手をつけるものとしてはおすすめしません。前の2つのほうが、手間に対する効果がはっきりしています。

それと、パソコンがスリープしていると動きません。
外出中に投げても、パソコンが寝ていれば何も起きていない、ということが起こります。

音声メモを議事録にする

Claude Code自体は音声を受け取れません

先に断っておきます。Claudeに音声ファイルを渡しても文字起こしはできません。扱えるのは文字・画像・PDFです。
弊社はLINEで動かしている別の仕組みで音声を受け取り、文字起こしは音声認識に任せ、要約とタスク化だけをAIにやらせています

その仕組みに打ち合わせの録音や、思いついたことを話した音声を渡すと、文字になって要点がまとまり、やることの形になって戻ってきます。

移動中に話しておけば、あとで書き起こす手間が消えます。
話すのは書くより速いので、この差は思ったより大きいです。

ただしそのまま使える議事録にはなりません。
固有名詞は間違えますし、話の流れも整いすぎて実際のニュアンスが落ちます。あくまで下書きとして扱ってください。

未読メールを拾わせる

朝刊に「未読のメール」を入れています。
全部を並べるのではなく、返事が要りそうなものだけを選ばせています。

広告や通知は毎日大量に来ます。その中に、返さないとまずいものが1通だけ混ざっている。これを見落とすのが怖いところです。

やらせているのは選別だけです。
返信は書かせていません。文面はこちらで決めたい部分ですし、間違えたときの影響が大きいためです。

メールを読ませるかどうかは、慎重に

メールには、他人から預かった情報が含まれます。
取引先の連絡先、契約の話、場合によっては個人情報。これらをAIに渡すことになると理解したうえで判断してください。
弊社は会社のメールに限定し、個人のものは対象にしていません。

頼まないほうがいいこと

やってみて「これは違うな」と感じたものも書いておきます。

やらせようとしたことなぜ向いていないか
その場ですぐ答えが欲しい調べもの起動して考える分、自分で検索するほうが速い
返事を待たせる相手がいるやり取り数分かかることがある。人を待たせる場面には向かない
正解が1つしかない計算電卓や表計算のほうが確実で速い
細かい好みが強く出るもの指示を書く手間が、自分でやる手間を超える

共通しているのは「頼むより自分でやったほうが速いこと」です。
AIに任せる基準は、難しいかどうかではありません。面倒で、後回しにしがちで、忘れると困ること。ここに当てると効きます。

一度やって、やめたこと

続かなかったものも書いておきます。失敗のほうが参考になると思います。

やろうとしたことなぜ続かなかったか
情報を詰め込んだ長い日報読むのが負担になり、そのうち開かなくなった
1日に何度も通知を出す慣れて無視するようになった。通知は1日1回が限度
細かい作業手順まで書いた指示書書く手間が、自分でやる手間を超えた
感想や評価まで書かせる当たり障りのない文章が増えるだけで、判断には使えなかった

共通しているのは「量を増やす方向の失敗」です。
できることが増えると、つい足したくなります。ですが足すほど読まなくなり、読まなくなれば無いのと同じです。

今は削る方向で運用しています。1週間読み飛ばした項目は外す、くらいの気持ちでちょうどよいです。

一番のリスクは、黙って止まること

自動で動くようにすると、必ずこの問題にあたります。

弊社の朝刊も、設置してから9回連続で失敗していました。
弊社はMacですが、パソコンの権限設定が原因で、必要なファイルを読めない状態だったのです。エラーも通知も出ず、静かに終了していました。

届かないことには、気づけません

毎朝届くはずのものが届かない。
それに気づくまで9回、毎朝空振りしていました。成果物が増えていないことを不審に思って、ようやく調べた形です。

対策は2つだけです。

  • 組んだ翌日に、実際に動いたかを自分の目で確認する
  • 動いたら記録が残るようにする

特に前者です。組んだ日は動作確認をするのに、翌日以降を見ない。ここで落ちます。

弊社のAI導入支援では、この「気づいたら止まっていた」を防ぐ運用の組み方まで含めてお手伝いしています。
仕組みを作って終わりにしないのは、自社で9回失敗しているからです。AI導入支援の詳細はこちら

本業を持っている人ほど効きます

弊社の代表は、別に本業を持っています。
時間の配分でいえば、本業が8〜9割です。

この状況でわかったことがあります。
時間が細切れの人ほど、この使い方は効きます。

まとまった時間が取れる人なら、座って自分でやればよい話です。
しかし本業の合間しかない場合、「思い出す」「まとめる」「知らせる」に使っていた細切れの時間が、そのまま返ってきます。

逆に言えば、時間に余裕がある人ほど効果を感じにくいと思います。
導入して「思ったほどでもないな」と感じたら、それは道具ではなく状況の違いかもしれません。

始めるなら、この順番で

効果と手間を考えると、この順番がおすすめです。

やることかかる手間
1忘れたくない日付をファイルに書く10分
2月に一度、自分でそのファイルを開く習慣をつける0分
3毎朝それを読ませて、近い期限だけ知らせるうまくいけば半日、つまずくと数日
4予定・やること・メールを足していく都度
5翌日、本当に動いたか確認する1分

1番は、メモ帳で作ったファイルを保存し、Claude Codeを起動して「このファイルを読んで」と日本語で打つだけです。それ以上のことは要りません。

1と2だけでも十分に効きます。3から先は「習慣が続かない人向けの保険」だと考えてください。
逆に、3から始めて1を疎かにすると、知らせる中身が無いまま仕組みだけができます。

よくある質問

何から始めるのがよいですか

忘れてはいけない日付を書いたファイルを作ることから始めてください。
一番簡単で、一番効きます。自動で知らせる仕組みは後からで構いません。まずファイルを作り、気づいたときに1行ずつ足していく形で十分です。

プログラミングができなくても使えますか

使うだけなら不要です。
ただし毎朝自動で動かすような仕組みを作るには、ある程度の知識が要ります。その部分もClaude Codeに手伝わせることはできますが、最初はうまくいかない前提で取りかかってください。

費用はどれくらいかかりますか

弊社の場合、契約しているClaude Codeの枠を使っているだけで、この用途のための追加費用は発生していません。
なお自分で追加利用を有効にしていない限り、上限に達しても一時的に使えなくなるだけで、勝手に請求されることはありません。追加料金が発生するのは、設定画面で追加利用を自分で有効にした場合だけです。

個人的なことに使っても大丈夫ですか

渡した内容はAIのサーバーに送られます。
他人に見られて困る情報は渡さない、という前提で使ってください。家族の個人情報や、他人から預かった情報は避けたほうが無難です。

まとめ

  • 一番効いたのは「忘れてはいけない期限を覚えておいてもらう」こと。しかも一番簡単
  • 朝いちばんに情報が向こうから来ると、リストを開かなくてよくなる
  • 詰め込むと読まなくなる。今日、行動が変わる情報だけにする
  • 指示には「無ければ無いと言え」「迷ったら分類するな」を必ず入れる
  • 向いていないのは「頼むより自分でやったほうが速いこと」
  • 狙うのは面倒で、後回しにしがちで、忘れると困ること
  • 一番のリスクは暴走ではなく、黙って止まっていることに気づかないこと
  • 時間が細切れの人ほど効く。余裕がある人は効果を感じにくい
  • 失敗は全部「量を増やす方向」だった。今は削る方向で運用している

派手な自動化から入ると、たいてい続きません。
テキストファイルに「忘れたくないこと」を1行書くところからで十分です。そこが一番効きます。

AIをどこに当てれば効くか、一緒に見極めます

ここまで読んで「これなら自分でできそうだ」と思われたなら、ぜひご自身で始めてください。ファイル1つなら今日作れます。
難しいのは道具の操作ではなく、御社の業務のどこに当てれば効くかの見極めと、止まっていることに気づける運用です。自社で失敗しながら回している立場から、その2つをご提案します。

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