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結論:5つ見れば、自分で診断できます
LLMO診断とは、ChatGPTやGeminiなどのAIが自社をどう説明しているか、そして自社サイトがAIに正しく読み取れる状態になっているかを確認する作業です。
検索順位の確認とは別に、一度やっておいたほうがよい点検です。
このLLMO診断、業者に頼まなくてもある程度は自分でできます。
見るのは次の5つです。
| # | 確認すること | かかる時間 | 難しさ |
|---|---|---|---|
| ① | AIに自社のことを聞いてみる | 10分 | 誰でもできる |
| ② | robots.txtでAI検索のボットを弾いていないか | 3分 | 誰でもできる |
| ③ | 構造化データが入っているか | 10分 | 少し慣れが要る |
| ④ | llms.txt があるか、中身が古くないか | 5分 | 誰でもできる |
| ⑤ | 引用される中身があるか | 30分 | 判断が要る |
このうち②が最も重要で、しかも一番見落とされます。
ここが閉じていると、他に何をやっても意味がありません。
この記事では手順に加えて、実際に自社サイトを同じ手順で診断して見つかった4つの不備も、そのまま載せています。
最初に知ってほしい落とし穴
診断の手順に入る前に、これだけは先にお伝えします。
AIは過去のやり取りを記憶して回答に反映します。
自分のアカウントで「うちの会社どう思う?」と聞くと、以前あなたが話した内容が混ざった回答が返ってきます。
初めて検索した人が見る回答とは、別物です。
これは実際に確認して分かったことです。
ある会社のサイトで検証したところ、回答の中に競合他社の名前が出てきました。調べてみると、それは検証した本人が過去にAIへ相談したときの内容でした。
サイトには一度も書いていない社名です。
気づかないまま「うちはちゃんと説明されているな」と安心してしまうと、診断の意味がなくなります。
必ず次のようにしてください。
- ログアウトした状態か、履歴を残さないモード(一時チャットなど)で聞く
- できれば普段使っていない端末やブラウザで聞く
- ChatGPT、Gemini、Claude、Perplexityなど複数のAIで聞く
AIO・LLMO・GEOという言葉について
この分野の言葉は、まだ定まっていません。
同じことを指すのに複数の呼び方があり、業者によって使い分けもばらばらです。
| 言葉 | 読み方 | 指しているもの |
|---|---|---|
| AIO | エーアイオー | AI最適化。AIの回答に取り上げられるための対策 |
| LLMO | エルエルエムオー | 大規模言語モデル最適化。ほぼ同じ意味で使われる |
| GEO | ジオ | 生成エンジン最適化。これもほぼ同義 |
| SEO | エスイーオー | 従来の検索エンジン最適化 |
実務上はAIO・LLMO・GEOはほぼ同じものと考えて差し支えありません。
呼び方の違いで中身が変わるわけではないので、業者の説明で言葉が違っても混乱しないでください。
診断① AIに自社のことを聞く
先ほどの注意を守った上で、次の3つを聞いてみてください。
- 「(会社名)はどんな会社ですか」
- 「(地域名)で(業種)を探しています。おすすめを教えてください」
- 「(会社名)の料金を教えてください」
見るのは、正しく答えられるかどうかだけではありません。
| 見る点 | 問題があるサイン |
|---|---|
| そもそも認識されているか | 「情報が見つかりません」と言われる |
| 事実が合っているか | 料金や事業内容が間違っている |
| 作り話をしていないか | 書いていないサービスを勝手に説明する |
| 出典としてどこを見ているか | 自社サイトではなく他社のまとめ記事を見ている |
| おすすめとして出てくるか | 2つ目の質問で名前が出ない |
特に注意していただきたいのが作り話です。
サイトに書いていないことをAIが補って説明してしまうと、それを信じた人から問い合わせが来ます。話が食い違い、最初のやり取りで信用を落とします。
そしてもうひとつ、出典がどこかは必ず見てください。
自社サイトではなく、他社が作ったまとめ記事や口コミサイトを見て答えている場合、その内容をこちらで管理できません。
診断② AIのアクセスを弾いていないか
ここが一番重要です。
そして制作会社に任せきりの会社ほど、知らないうちに閉じている可能性があります。
サイトの中身を自動で読みに来るプログラムのことです。
robots.txt という設定ファイルで、どのプログラムに読ませるかを指定できます。
確認は簡単です。ブラウザのアドレス欄に次を入れてください。
https://(自社のドメイン)/robots.txt
表示されたテキストの中に、Disallow: / と書かれた行がないか探します。
これがあると、その直前の User-agent: に書かれた相手には全ページ読ませない設定になります。
ここで多くの記事が間違えています
AI関連のボットは「学習用」と「検索・取得用」の2種類があり、役割がまったく違います。
AI検索での見え方を左右するのは後者だけです。
よく名前が挙がる GPTBot はモデルの学習用です。
OpenAIは公式に「GPTBotを拒否することは、生成AIの基盤モデルの学習に使わせないという意思表示」と説明しており、検索結果への表示やユーザーの閲覧には影響しないとしています。
ChatGPTの検索に出るかどうかを決めるのは OAI-SearchBot のほうです。
| 名前 | 運営 | 役割 | AI検索での見え方への影響 |
|---|---|---|---|
OAI-SearchBot | OpenAI | ChatGPTの検索機能 | 大きい。拒否すると検索の回答に出なくなる |
ChatGPT-User | OpenAI | 利用者が指示したときの取得 | あり |
Claude-SearchBot | Anthropic | Claudeの検索機能 | 大きい |
Claude-User | Anthropic | 利用者の質問に応じた取得 | あり |
PerplexityBot | Perplexity | 検索インデックス用 | 大きい |
GPTBot | OpenAI | モデルの学習用 | なし |
ClaudeBot | Anthropic | モデルの学習用 | なし |
つまり「GPTBotとClaudeBotを許可したから対策済み」という状態は、AI検索の観点では何も対策できていません。
見るべきは OAI-SearchBot・Claude-SearchBot・PerplexityBot の3つです。
Google-Extended は少し違います
Google-Extended はよくAIクローラとして紹介されますが、Googleは公式に「独自のユーザーエージェント文字列を持たない」と説明しています。robots.txt上の制御用の名前です。
さらに「Google検索への掲載には影響せず、ランキングの要素でもない」と明記されています。
これが制御するのはGeminiの学習と、Geminiアプリでの利用です。ここを許可してもGoogleのAI回答に出やすくなるわけではありません。
読ませたい場合の書き方
User-agent: OAI-SearchBot
Allow: /
User-agent: ChatGPT-User
Allow: /
User-agent: Claude-SearchBot
Allow: /
User-agent: Claude-User
Allow: /
User-agent: PerplexityBot
Allow: /
自分でサーバーのファイルを触る必要はありません。
サイトを制作会社に任せている場合は、「robots.txtでAI検索のボットを拒否していないか確認してほしい。拒否しているなら許可に変えてほしい」とそのまま伝えれば通じます。
ファイル自体が無い(404になる)場合、拒否の指定が無いのでクロールは許可された扱いになります。
慌てて作る必要はありません。問題なのはあるのに閉じている状態です。
なお、読ませたくないという判断もあります。
記事や写真を学習に使われたくない会社は、学習用のほうをあえて閉じています。閉じているのが必ずしも間違いではありません。問題は、意図せず検索側まで閉じている場合です。
診断③ 構造化データが入っているか
構造化データは、ページの内容を機械が読める形で書いておく仕組みです。
「これは会社の情報」「これは記事」「これはよくある質問」と種類を明示しておくと、正確に読み取ってもらいやすくなります。
確認方法は2つあります。
- schema.org のマークアップ検証ツール(validator.schema.org)にURLを入れる
- パソコンでページを右クリックして「ページのソースを表示」し、
application/ld+jsonという文字を探す(スマートフォンでは右クリックができないため、この方法はパソコン向けです)
Googleは2026年5月にFAQのリッチリザルト表示を廃止し、6月には検証ツール側の検出も外しました。
そのため、FAQの構造化データが正しく入っていても「検出されませんでした」と表示されます。入っていないと勘違いしないでください。
マークアップ自体が無効になったわけではなく、AIに読ませる目的では引き続き意味があります。有無の確認には validator.schema.org のほうが向いています。
最低限、次の3つが入っていれば十分です。
| 種類 | 入れる場所 | 効果 |
|---|---|---|
| Organization | トップページ・会社概要 | 社名・所在地・連絡先を正しく伝える |
| FAQPage | よくある質問 | 質問と答えの対応が明確になる |
| Article / BlogPosting | 記事ページ | いつ書かれた誰の記事か伝わる |
よくあるのがトップページにだけ入れて満足しているケースです。
AIが読むのはトップページとは限りません。サービスページも、会社概要も、記事も読まれます。
診断④ llms.txt があるか
※ この節の内容は2026年8月時点のものです。AI各社の対応状況は変わる可能性があります。
llms.txt は、AI向けにサイトの概要と主要ページをまとめたテキストファイルです。
2024年に提案された比較的新しい取り組みで、サイトの一番上の階層に置きます。
https://(自社のドメイン)/llms.txt
llms.txt は正式な標準ではなく、提案されている仕組みです。
現時点で主要なAI企業のどこも、本番で読んでいると公式に表明していません。Googleは2026年6月に、検索順位にもAI Overviewsにも影響せず検索では無視すると明言しています。
入れておいて損はありませんが、これを入れれば順位が上がるという性質のものではありません。そう説明する業者には、根拠を聞いてください。
そのうえで、ファイルがある場合に見てほしいのは中身が古くなっていないかです。
ここが実際によく壊れます。
- 載っているURLが移動・削除されていて、リンク切れになっている
- 新しく作ったページが載っていない
- 料金やサービス内容が改定前のまま
llms.txtは手で書いたきり放置されがちです。
サイトを更新したら合わせて直す。この運用が無いなら、置いていても中身が嘘になります。
診断⑤ 引用される中身があるか
ここは技術の話ではなく、書いてある内容の話です。
AIは回答を作るとき、はっきり書いてある事実を優先して拾います。
逆に拾いにくいのが、次のような書き方です。
| 拾われにくい | 拾われやすい |
|---|---|
| 豊富な実績があります | 2020年から120件を施工しています |
| リーズナブルな価格 | 初期費用0円、月額2,880円(税別) |
| 幅広いエリアに対応 | 三重県松阪市・伊勢市・津市に対応 |
| お気軽にお問い合わせください | 電話受付は平日9時から18時 |
左側は、書いた側は「良いこと」を書いたつもりでいます。
しかし数字も固有名詞も無い文章は、AIにとって引用できる材料がありません。
料金を出していないサイトは、この点で不利になります。
「料金を教えてください」と聞かれても答えようがないため、料金を公開している他社のほうが説明されやすくなります。
トップページとサービスページを印刷するか、画面に表示して、数字と固有名詞に印をつけてください。
年数、件数、金額、地名、資格名、時間。これらが該当します。
1ページに5個も無いようなら、そのページはAIが引用できる材料がほとんど無い状態です。書き直しの候補になります。
自社を診断したら、4つ穴がありました
この記事を書くにあたって、自社サイトを同じ手順で診断しました。
人に説明する前に自分のところを見るべきだと考えたためですが、結果として4つ不備が見つかりました。
| # | 見つかった不備 | 原因 |
|---|---|---|
| 1 | llms.txt のURLが1本、旧アドレスのまま | ページを移設したのに、llms.txtを直し忘れていた |
| 2 | llms.txt に主要ページの半分が載っていない | 作ったときのまま更新していなかった |
| 3 | 4つのページに構造化データが入っていない | トップページと会社概要だけで満足していた |
| 4 | 詳細版のファイルが一部の階層にしか無かった | 設置場所の考慮漏れ |
1番目が一番情けない話です。
ページの引っ越しをした際に、サイト内のリンクは全部直したのに、llms.txtだけ直し忘れていました。転送はかかるので開けはしますが、AIに読ませるための案内図が旧アドレスを指したままだったことになります。
一方で、robots.txtのAIクローラ設定は問題ありませんでした。
4種類とも許可済みで、ここは意識して設定していた部分です。
この4つは、見つけた当日にすべて修正しました。
llms.txtは全リンクが正しく開くことを確認し、掲載していなかったページも追加。構造化データも4ページに入れています。
お伝えしたいのは、意識してやっている会社でも穴は空くということです。
一度設定して終わりではなく、サイトを更新するたびにずれていきます。半年に一度は見直してください。
設立まもない会社を診断すると起きること
最後に、診断してもすぐには直せない部分の話をします。
設立から日が浅い会社のサイトで診断を行うと、実績面の評価が低く出ることがあります。
事業内容も料金も正確に読み取ったうえで、「設立が新しく、実績はまだ限定的」という趣旨の評価が添えられる、という形です。
これは技術的な不備ではないので、設定では直せません。
設立年を隠すという手もありますが、登記情報は誰でも調べられますし、隠すこと自体が信用を損ないます。
できるのは次の2つです。
- 実績を具体的に書いて増やしていく。件数、社名(許可を得たもの)、施工前後、担当した内容
- 年数以外の判断材料を用意する。資格、有資格者の人数、対応エリア、保証内容、料金の明示
AIは書いてあることしか拾えません。
年数で勝てないなら、年数以外に書けることを増やすしかないというのが率直なところです。
よくある質問
診断は無料でできますか
この記事の5項目は、すべて無料で確認できます。
必要なのはブラウザと、AIの無料アカウントだけです。専用ツールを買う必要はありません。
どのくらいの頻度で見直せばよいですか
サイトの更新が少ないなら半年に一度で十分です。
ただしページを追加・移動・削除したときは、その都度llms.txtと構造化データを確認してください。ずれが生まれるのはこのタイミングです。
対策すれば、AIにおすすめされるようになりますか
断定はできません。
できるのは「正しく読み取ってもらえる状態にする」ところまでで、おすすめとして挙がるかどうかは、実績や第三者からの評価にも左右されます。
「対策すれば1位になる」と説明する業者がいたら、その根拠を確認したほうがよいです。
制作会社に頼まないとできませんか
①②④は自分でできます。
③の構造化データはHTMLを触るので、制作会社に依頼するほうが確実です。「Organization と FAQPage の構造化データを入れてほしい」と伝えれば通じます。
一番難しいのは⑤です。
どのページのどの表現から直すか、優先順位をつける部分は判断が要ります。手が止まるとしたらここです。
まとめ
- LLMO診断は、5項目を見れば自分でおおむねできる
- いつものアカウントで聞くと過去の会話が混ざる。ログアウトか一時チャットで、複数のAIに聞く
- 最優先は robots.txt。ただし見るのは
OAI-SearchBot・Claude-SearchBot・PerplexityBot。GPTBotは学習用で、AI検索の見え方には影響しない - 構造化データはトップページだけでなく、サービスページや記事にも入れる
- llms.txt は入れて損はないが、主要AIのどこも公式に採用を表明していない。放置して中身が古くなるほうが問題
- 抽象的な表現はAIに拾われない。数字と固有名詞で書く
- 設定で直せない部分(実績の薄さ)は、書ける材料を増やして埋めるしかない
自社を診断してみて、意識していたつもりでも穴が空くと分かりました。
まずは robots.txt を開いてみるところから始めてみてください。3分で終わります。