GPT-6 Astraは賢い。それでも主軸はClaude Codeのままにした理由

明るく輝く星と、光に引きずられずに一方向を指し続ける羅針盤が机の上に並んでいるイラスト

弊社はホームページ制作の会社で、エンジニアの会社ではありません。その会社が、社内の仕事のほとんどをAIに任せて回しています。

2026年9月3日にOpenAIがGPT-6 Astraを発表しました。すぐ業務に入れて数日使い、こんなことがありました。

Claude側で2回チェックを通した記事の原稿をAstraに読ませたら、8件の指摘が返ってきました。確かめたところ、いずれも直すべきものでした。それでも弊社は、仕事の主軸をClaude Codeのままにしています。

この2つは矛盾していません。理由をこれから書きます。

結論:総合力はAstraが上。それでも主軸は変えませんでした

弊社の結論

確かに賢くなりました。ただしAGIとは言えません。一歩手前まで来ている、というのは弊社の印象です
・前回の世代交代では変化を感じませんでしたが、今回ははっきり進化を感じました
・優れた点も劣る点も両方あり、総合ではAstraのほうが上だと感じています
・それでも仕事の主軸はClaude Codeのままにしました。すでに積み上げた手順とルールが、そちらに合わせて育っているからです
・いまはClaude Codeが作ったものの点検役として併用しています

先にお断りしておきます。これは弊社の業務での体感であって、条件をそろえた比較検証ではありません。ベンチマークの数字は公式の発表から引きますが、判断の部分は「弊社ではこう見えている」という話として読んでください。

GPT-6 Astraとは(事実だけ、短く)

OpenAIが2026年9月3日に発表した最上位モデルです。前の世代であるGPT-5.6 Solの後継にあたります。細かい仕様は各社が詳しく書いているので、ここでは業務で使うときに効いてくるところだけ並べます。

項目内容
モデルIDgpt-6-astra
一度に扱える情報量105万トークン(入力92.2万・出力12.8万)
知識の締め切り2026年4月30日
API料金入力 $10・出力 $50(100万トークンあたり)
ChatGPTでの呼び名GPT-6 Pro

トークンは、AIが文章を処理するときの情報量の単位です。日本語だと1文字がおよそ1トークン前後になります。105万トークンはおよそ105万字にあたり、単行本なら7〜10冊分といったところです。

料金で、ひとつだけ気をつける点があります

入力が27万2千トークンを超えると、入力が2倍・出力が1.5倍になります。ここで見落としやすいのは、超えた分だけが割高になるのではなく、そのリクエスト全体に割増が適用される点です。長い資料をまとめて読ませる使い方をすると、想定より請求が伸びます。

前の世代のSolと比べると、入力も出力も2.5倍です。安いモデルではありません(OpenAI公式の料金ページ)。

APIキーを使う場合の注意

APIは使った分だけ課金される仕組みで、月額のサブスクリプションとは支払いが別会計になります。注意したいのは、金額の設定には「メールで知らせるだけのもの」と「実際に利用を止めるもの」があり、別物だという点です。知らせる側だけを設定して安心していると、課金は止まりません。使う前に、どの設定が実際に停止するのかを必ず確認してください。この点はClaude Codeに外部APIキーを渡す前にという記事にも書きました。初めての方には勧めません。まずはサブスクリプションの範囲で試すのが安全です。

「Plusで使える」は、半分しか合っていません

ここは各社の記事でも書き分けが揺れているところなので、はっきり書きます。

プランいつものチャット画面Work・Codex
無料 / Go使えない使えない
Plus(月20ドル)使えない使える(枠は少なめ)
Pro使える使える
Business使えるプランによる
Enterprise管理者が有効にするまで使えない(既定でオフ。待っていても自動では有効になりません

つまりPlusを契約していても、普段のチャット画面にGPT-6は出てきません。開発者向けのCodexか、業務向けのWorkから使うことになります。「Plusで使えると聞いたのにモデル一覧に無い」という混乱は、これが理由です。

料金については、ChatGPTを契約していれば追加の月額はかかりません。ただし利用枠があり、Astraは前の世代より枠の消費が速いと公式が明記しています。枠を使い切ったら追加のクレジットを買うか、回復を待つことになります。

Proにしても、使い放題ではありません

ここも先に知っておいたほうがよい数字です。チャット画面でAstraを使える回数は、公式に明記されています。

プランチャットでの上限
Pro(月100ドル)週50通(前世代の上位モデルと共通枠)
Pro(月200ドル)週200通
Business Standard月15通(共通枠)
Business Premium週50通(共通枠)

月200ドルを払っても週200通です。調べものに気軽に使う相手ではなく、難しい仕事に絞って使うモデルだと考えたほうがよさそうです。なおWorkとCodexの枠はチャットとは別に用意されています。

手元の環境で確認したこと

弊社はCodexというコマンドライン版から使っています。公式が求めているのはバージョン0.153.0以上で、弊社の手元は0.153.3でした。モデル名はgpt-6-astraと正確に指定する必要があり、gpt-6astraでは「ChatGPTアカウントでは使えません」と断られます。

「AGI時代」をどう受け取るか

今回の発表でいちばん話題になったのが、この言葉です。AGIは「汎用人工知能」と訳され、人間と同じように幅広い仕事をこなせるAIを指します。OpenAI社長のGreg Brockman氏が発表に際して「AGI時代」という表現を使い、各社がそのまま見出しにしました(OpenAIの発表ページ)。

ここは2つに分けて書きます。「まだAGIとは言えない」は、公開された発言と数字から言えることです。一方で「一歩手前まで来ている」は、弊社が業務で使っての印象にすぎません。後者を裏づける客観的な基準を弊社は持っていません。まず前者の根拠を3つ書きます。

1|試験を作った本人が、AGIの証明ではないと言っています

話題の中心になったのは、ARC-AGIという試験でほぼ満点を取ったという数字でした。未知の課題にその場で適応できるかを測る試験で、これまでのモデルは大きく苦戦していた領域です。

ところが、この試験を作った本人が発表当日にこう述べています。

「私たちは、これがAGIだと主張していません」
「この試験を飽和させることは、AGIを達成した証明にはなりません」

ARC Prize公式記事「OpenAI's GPT-6 Astra on ARC-AGI-3」(2026年9月3日)より。試験を作った側の記述です

ARC-AGIを考案したFrançois Chollet氏も、ARC Prize共同創設者のMike Knoop氏も、能力そのものは高く評価したうえで、AGIと呼ぶ根拠はまだないと述べています。次の世代の試験を作ることも表明しています。作った側が、これはゴールテープではないと言っているわけです。

とくにChollet氏は、Astraがゲームごとに独自の記法を自分で作って解いていた点を評価しています。これまで外部の仕組みで補っていた能力が、モデル自身の中に移りつつある、と。批判ではなく、線引きの話だと読むのが正確だと思います。

2|同じ試験でも、測り方で数字が桁違いに変わります

ここは業務でAIを選ぶときに、いちばん実用的な教訓になります。

同じARC-AGI-3の結果スコア
標準の実行環境(どこまで覚えておくかをモデル自身が決める)62.7%
提供元の文脈管理機能を使える実行環境99.9%(ほぼ満点)

2つの違いは、モデルを作った会社が用意した「覚えておく仕組み」を使わせるかどうかです。この試験のために特別に作られた仕掛けではなく、もともと製品に入っている機能です。試験の主催者側も、その前提で両方の数字を出しています。

それでも同じモデルの同じ試験で、条件が違うとこれだけ開きます。AIの性能はモデル単体では決まらず、動かす環境も含めた全体で決まるということです。ニュースで見る数字がどちらの条件のものかは、たいてい書かれていません。

これは自社で使うときも同じです。同じモデルでも、指示の書き方、渡す資料、権限の設定によって、出てくる結果はかなり変わります。ベンチマークの順位より、自社の仕事で1本測ったほうが早いというのが弊社の考えです。

3|そもそも、各社が自分で測って自分で発表した数字です

今回の発表では、報道機関向けの資料と公開された発表ページとで、いくつかの数字が違っていたことも指摘されました。研究者からは測り直しではないかという批判があり、一方で発表直前まで数字が動くのは準備上よくあることだという見方もあります。弊社はどちらが正しいかを判定する立場にありません。

ただ、この一件が示していることは押さえておきたいと思います。公開されている性能の数字は、各社が自分で走らせて自分で発表したものです。第三者が同じ条件で測り直したものではありません。

結局、業務では何を見ればよいか

順位表ではなく、自社の実際の仕事を1本決めて、同じ条件で両方に流すことをお勧めします。ベンチマークを追いかけるより確実で、しかも社内に判断基準が残ります。
正直に書くと、弊社もまだこれをやっていません。この記事に書いたのは日々の業務で使っての印象であって、条件をそろえた比較ではありません。次はホームページ1本と記事1本で、きちんと測るつもりです。

4から5のときは、何も感じませんでした

ここからは弊社の体感です。数字ではなく、使っている側の実感として読んでください。

ひとつ前の世代交代のとき、弊社は正直なところほとんど変化を感じませんでした。用途によっては前の世代のほうが良いと感じる場面すらあって、番号が上がったからといって手元の仕事が楽になるわけではないのだと学びました。世間の盛り上がりと、自分の机の上で起きることは別だという話です。

今回は違いました。5から6で、はっきりと変わったと感じています。

何が変わったかを一言でいうと、一度の指示で最後まで到達する率です。途中で目的を見失って戻ってくることや、こちらが軌道修正を入れる回数が減りました。個々の回答が賢くなったというより、長い作業を投げたときに完走してくれるようになった、という感覚に近いです。

※ 弊社の使い方(ホームページ制作と社内業務)に偏った感想です。

用途別に、どちらが良かったか

弊社はGoogleのGemini、OpenAIのChatGPT、AnthropicのClaudeを、個人でも会社でも一通り使ってきました。そのうえで、今回のGPT-6 Astraと、いま弊社が主に使っているClaude Fable 5.1を並べた印象が下の表です。

用途弊社の判定補足
文章を書くほぼ同点ひとつ前の世代のときはClaude側が明確に良いと感じていました。今回で並んだ印象です
ゲーム開発Astra動くものが早く出てきます
デザインAstra見た目の作り込みは強いと感じます
点検役・検証役Astra作った側が気づけないところを指摘してきます
長く続く仕事・業務での運用Claudeミスが少なく、決めたルールを守り続けます

優れているところと劣っているところが両方あり、総合的な賢さではAstraのほうが上だというのが弊社の実感です。

ただし、ここは正直に書いておきます。第三者が公開している総合指数では、逆の結果が出ています。弊社の実感と数字が食い違っているということです。具体的な順位は後の章にまとめました。

この食い違いは、たぶん使い方の違いから来ています。弊社が「賢い」と感じた場面は、形のあるものを一気に作らせたときでした。指数のほうは、もっと広い範囲の問題を平均して測っています。どちらが正しいという話ではなく、測っている場所が違います。

なお、画像そのものを作る話は別です。Claudeには画像生成の機能がなく、弊社は用途に応じて他社のサービスを使い分けています。詳しくはClaudeに画像生成はできないに書きました。

それでも、仕事の主軸は変えませんでした。理由は次の章に書きます。

賢さと、仕事を任せられるかは別でした

ここがこの記事で一番伝えたいところです。

弊社がAIに任せているのは、単発の質問ではありません。社内のルールを書いたファイルを読ませて、その通りに何時間も作業を続けさせる使い方です。ホームページを1本作る、記事を1本仕上げる、経理の仕訳を通す。どれも一往復では終わりません。実際にどこまで任せているかはClaude CodeでAI社員を作った実録にまとめています。

この使い方で効いてくるのは、その瞬間の賢さではなく、決めたことを最後まで守り続ける性質でした。弊社が毎日見ているのは、次の4点です。これはAstraで事故が起きたという記録ではなく、長い作業を任せるときに弊社が重く見ている項目だと思って読んでください。

場面起きてほしくないこと
ルールを書いたファイルを読ませている作業が長くなるほど、そこに書いた決まりから外れていく
途中で方針を確認したい相談せずに勝手に方針を変えて、後から気づく
同じ作業を毎月くり返すやるたびに出来上がりが変わって、確認の手間が減らない
触ってほしくないファイルがある「触らないで」と書いたのに触る

この4点について、弊社のいまの設定と手順では、Claude側のほうが安定していました。だから主軸を変えませんでした。
ここで言えるのはそこまでです。モデルとしてどちらが指示に忠実かを判定したわけではありません。弊社の指示の書き方も手順も、長く使っているほうに合わせて育っているからです。
そのうえで、考え方としてお伝えしたいのはこれです。賢い答えを出す能力と、決めた枠の中に留まり続ける能力は、別々に見たほうがよい。1回のやり取りの賢さだけで選ぶと、長い仕事では取り返しがつかなくなります。

この点については、OpenAI側が逆の数字を出しています

公平のために書きます。この論点について、OpenAI側は弊社の体感と逆の数字を出しています。

OpenAIは、指示された範囲を超えて動いてしまう割合を測る自社の試験で、Astraのほうが成績が良い、しかもClaude側より良いという数字を公表しています。作業を止める仕組みを回避しようとした回数がゼロだったという結果も出しています。

Anthropic側も制約の守り方について結果を出していますが、そちらは自社の前の世代と比べて改善したという報告で、Astraと直接比べたものではありません。この2つは同じ土俵の数字ではないので、並べて相殺してはいけません。他社と直接比較しているのはOpenAI側だけ、というのが正確な状況です。

ただし同じOpenAIが、Astraは前の世代より思考の過程を追いにくくなったとも公表しています。枠から外れにくくなった一方で、何を考えて動いたかは見えにくくなったということです。良い数字だけを取り出すのは公平ではないので、あわせて書いておきます。

そのうえで、この論点を第三者が同じ条件で比べた公開データを、弊社は見つけられていません。公開されているのは各社が自社で測った数字と、弊社の手元での体感だけです。

ここは弊社の観察であって、検証ではありません

両方を同じ条件で走らせて統計を取ったわけではありません。使い方も期間も違うので、能力そのものの差なのか、弊社の指示の書き方が長く使っているほうに合わせて育っているだけなのかは切り分けられていません。上に書いたとおり、逆の数字を出している会社もあります。断定ではなく、いまのところ弊社にはそう見えている、という話として読んでください。

いまは点検役として使っています

主軸は変えませんでしたが、無視できる性能ではありません。そこで弊社は、作る側と点検する側を別のAIにするという使い方に落ち着きました。

作ったものを作った本人に点検させても、見落としはなかなか出てきません。同じ前提で考えているからです。この考え方と、実際に防いだ事故についてはClaude CodeとCodexの違いと併用に書きました。

実際にAstraが指摘してきたこと

ちょうどその記事を公開する前に、Astraにも下読みをさせました。すでにClaude側で2回のチェックを通した原稿です。それでも8件の指摘が返ってきて、内容を確かめたところ、いずれも直すべきものでした。

・実例2件から「これは構造の問題だ」と断定しているが、能力の差や指示の書き方の違いを切り分けられていない。仮説と書くべき
・「変更しないでください」という指示文は権限の制御ではない。実行時の設定で書き込みを止めるべき
・「両方の契約が必要」という記述は誤り。無料で使える範囲がある
・指摘の内容を自分で確かめられなかったときの手順が抜けている

いちばん痛かったのは1つ目です。根拠が足りないのに言い切っているという指摘で、これはClaude側の2回のチェックでは出てきませんでした。事実の誤りではなく、論の運び方の問題だからです。

ここから弊社が立てた仮説は、点検役は別の系統のAIであることに価値があるのではないかということでした。同じ会社のモデル同士だと、似た考え方をするぶん、似たところを見落とすのではないかと考えています。
ただしこれは確かめていません。同じClaudeに3回目の点検をさせていたら出たかもしれませんし、点検の指示文を変えれば出たかもしれません。会社が違うことが効いたのかどうかは、まだ分かっていません。

ただし、指摘を鵜呑みにはしません

返ってきた指摘が常に正しいわけではありません。上の8件はすべて採用しましたが、いつもこうなるわけではありません。別の機会にコードの点検をさせたときは、6件のうち実際に直したのは2件でした。1件は指摘そのものが誤り、1件は仕様どおりの動作で、残る2件はリスクを承知で見送っています。
必ず自分で確かめてから直すという手順は変えていません。

あなたはどうするべきか

「で、結局どっちを使えばいいのか」という質問が一番多いので、いまの状況別に弊社の考えを書きます。

いまの状況弊社の考え
ChatGPTがメインで、Claudeへの乗り換えを迷っていたそのままChatGPTでよいと思います。今回の更新で、乗り換えを急ぐ理由はかなり減りました
すでにClaudeを使っているいま乗り換える必要はありません。ただし点検役としての併用は勧めます
これから決める用途で選んでください。長く続く業務ならClaude、単発で形にするものならAstraが強いと感じます
まだどれも使っていない比較から入らず、1つ決めて3か月続けるほうが早く上達します

もうひとつ、意外と大事なことがあります。乗り換えには、性能差では取り返せないコストがかかるという点です。

弊社の場合、社内のルールを書いたファイル、作業の手順、指示の書き方の癖が、いま使っているAIに合わせて積み上がっています。乗り換えると、この積み上げを作り直すことになります。

細かい話をひとつ。Claude CodeはCLAUDE.mdというファイルを読み、CodexはAGENTS.mdを読みます。名前も置き場所も違います。併用すると、同じ社内ルールを2つのファイルで保つことになり、片方だけ直して食い違う事故が起きます。弊社は事故防止のルールを両方に書くと決めていますが、これは併用して初めて分かった手間でした。

数か月かけて整えたものを、1割の性能差のために捨てるかどうか。弊社はそういう判断だと考えています。

弊社は捨てないほうを選びました。そのかわり、良いところは点検役という形で取り込んでいます。

最適は毎月入れ替わります

今回のAstraは単独で出てきたわけではありません。3日間で3社が新しいモデルを出しました

日付発表
2026年9月1日Anthropic Claude Fable 5.1
2026年9月2日Google Gemini 3.8 Flash
2026年9月3日OpenAI GPT-6 Astra

この3日間だけを見ても、どこが一番かは測る指標によって変わります。ニュースは強いところだけを切り取るので、記事を読むと毎回どこかが圧勝しているように見えますが、実態はもっと入り組んでいます。

OpenAIの発表資料に、Claudeに負けている指標が載っています

これは意外と知られていないので書いておきます。Astraの発表ページには他社との比較表が載っているのですが、そこに載っている第三者の総合指標では、Astraが1位ではありません

指標1位Astraの位置
Artificial Analysis 総合知能指数Claude Fable 5.1(65.7)4位(61.2)
Artificial Analysis コーディング指数Claude Opus 5(68.1)3位(67.0)
Terminal-Bench 4.0(自律コーディング)Astra(57.9%)1位
BenchCAD(3D再構成)Astra(95.9%)1位(Fable 5.1は84.3%)※注

出典:OpenAI公式発表ページ掲載の比較表(2026年9月3日)。総合指数の元データはArtificial Analysisが公開しています

※ BenchCADのClaude側のスコアは、試験に3点の変更を加えた条件のものだとOpenAI自身が脚注に書いています。この表の中でも、行によって条件が違います。

自社の発表資料にわざわざ載せているところは誠実だと思います。同時に、「どこを測るかで勝者が変わる」ということがそのまま表れています。総合指数ではClaudeが上で、自律コーディングと3D生成ではAstraが上です。

ベンチマークの数字は、そのまま比べられません

各社が自社で走らせた結果を発表しているため、同じモデルの同じ試験でも、発表元によって数字が違います。設定の違い、安全機能を有効にしたかどうかでも変わります。順位を鵜呑みにせず、傾向として見るのが安全です。

Geminiが遅れているという話の、正確な中身

弊社はGeminiも使っています。最近は少し遅れている印象がありますが、正確に書くとこうなります。

Googleは安くて速い「Flash」という帯のモデルを、6週間で3回更新しています。ここは止まっていません。遅れているのは最上位の「Pro」帯で、2026年9月時点でも試験提供版のままです。つまり「開発が止まっている」のではなく「最上位で戦うモデルを出せていない」というのが実際のところです。Google自身は次世代の学習を始めたと公表していますが、時期は明言していません。

それでも軸を決めておく理由

入れ替わるたびに乗り換えていると、社内に何も積み上がりません。ルールを書いたファイル、指示の書き方、作業の手順。これらは使うAIに合わせて育っていくものです。

弊社が軸をClaudeに置いているのは、これまでの傾向として、最上位で戦えるモデルを出し続けていて、出遅れることが少なかったからです。人間の投票で順位を決める第三者のランキングでも、現時点の上位はClaudeが占めています。ただしAstraはまだそのランキングに載っていませんので、これはAstraとの比較にはなりません。あくまで過去の傾向です。
来月も同じとは限らないことも、あわせて書いておきます。

そのうえで、良いところは併用で取り込む。乗り換えずに新しいものを使う方法があるなら、そのほうが安く済みます。

よくある質問

GPT-6 Astraは無料で使えますか

使えません。無料プランとGoプランは対象外です。
Plusプラン(月20ドル)でも、いつものチャット画面には出てきません。開発者向けのCodexか、業務向けのWorkからなら使えます。普段のチャット画面で使えるのは、Pro・Business・Enterpriseの各プランです(Businessは回数がかなり少なめです)。
なお、ChatGPTを契約していれば追加の月額はかかりません。利用枠の中に含まれます。ただしAstraは前の世代より枠の減りが速いと公式が明記しているので、たくさん使う方は枠切れに注意してください。

GPT-6 AstraとClaudeは、どちらが優秀ですか

用途によって変わります。弊社の体感では、ゲーム開発・デザイン・点検役はAstra、長く続く業務での運用はClaudeでした。文章を書く用途はほぼ同点です。
ベンチマークの順位も、どれを見るかで勝者が変わります。自律的にコードを書く試験や3D生成ではAstraが1位ですが、第三者が出している総合知能の指数ではClaude側が上です。
一言で優劣をつけられる状態ではない、というのが正直なところです。

いまClaudeを使っています。GPT-6 Astraに乗り換えるべきですか

弊社の考えでは、いま急いで乗り換える必要はありません。ただし点検役としての併用は勧めます。
乗り換えには性能差では取り返せないコストがかかります。社内のルールを書いたファイル、指示の書き方、作業の手順は、いま使っているAIに合わせて積み上がっているからです。
逆に、これまでChatGPTを使っていてClaudeへの移行を迷っていた方は、そのままChatGPTで良いと思います。乗り換えを急ぐ理由は減りました。

GPT-6 AstraはAGIですか

「まだAGIとは言えない」というのが、公開された情報から言えることです。
話題になったARC-AGIという試験の主催者自身が、発表当日の記事で「私たちは、これがAGIだと主張していません」「この試験を飽和させることはAGIを達成した証明にはなりません」と明記しています。
また同じ試験でも、標準の実行環境では62.7%、提供元の文脈管理機能を使える実行環境では99.9%と、条件によって数字が桁違いに変わります。報道で見る数字がどちらの条件かは、たいてい書かれていません。
なお「一歩手前まで来ている」のほうは、弊社が業務で使っての印象にすぎません。裏づける客観的な基準は持っていません。

GPT-6 Astraの料金はいくらですか

APIを直接使う場合、100万トークンあたり入力10ドル・出力50ドルです。前の世代の2.5倍にあたります。
入力が27万2千トークンを超えると、入力が2倍・出力が1.5倍になります。超えた分だけでなく、そのリクエスト全体に割増がかかる点にご注意ください。
ChatGPTのサブスクリプションから使う場合は、追加の月額は不要です。枠を使い切ったときだけ、追加のクレジットを買うか回復を待つことになります。

AIに業務を任せるとき、気をつけることはありますか

権限を渡しすぎないことです。「触らないでください」と指示に書いても、それは権限の制御にはなりません。実行時の設定で、触れる範囲そのものを絞ってください。
とくにPC操作を任せる機能は便利ですが、そのぶん事故も大きくなります。元に戻せない操作、社外に影響する操作、お金や個人情報が絡む操作の手前には、人の確認を残しておくことをお勧めします。
弊社の失敗も含めた具体的な話はClaude Codeのauto modeを初心者に使わせない理由に書きました。

まとめ

GPT-6 Astraは確かに賢くなりました。前回の世代交代では何も感じなかった弊社が、今回ははっきり進化を感じています。総合的な力では、いま弊社が使っているモデルより上だとも思います。

それでも仕事の主軸は変えませんでした。長く続く仕事で効いてくるのは、瞬間の賢さではなく、決めたことを守り続ける性質だったからです。ここは現時点で、弊社の使い方ではClaude側が良いと判断しています。

そして、良いところは取り込みました。作る側と点検する側を別のAIにする。この形なら、乗り換えずに新しいモデルの強さを使えます。

最後にひとつだけ。どれが一番かは、これからも入れ替わり続けます。そのたびに乗り換えていては、社内に何も積み上がりません。軸を決めて、良いものは併用で取り込む。弊社はこのやり方を続けます。

この記事の前提

2026年9月7日時点の情報です。仕様と料金は公式ページで確認していますが、提供状況は日々変わります。実際にお使いになる前に最新の情報をご確認ください。

弊社では、ホームページ制作から社内の事務作業まで、実際にAIを使って会社を回しています。どこまで任せられるのか、どこは人が見るべきなのかといったご相談も承っています。お問い合わせからお気軽にどうぞ。